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自重できなかった人の何かの捌け口
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花凰のような凰花のような?











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「なぁ、コーチ。ビールってうまいの?」
チャンネル争いに負けたと言って家へ上がり込んできた三つ子の三男坊が、隣で花島を見上げていた。花島は鼻を鳴らして「ビールはな、」と答えると、発泡酒の缶を傾けた。
「おれにも一口くれよ。」
好奇心一杯の目を向けてくる未成年に、花島はアルコール臭い溜息を吐く。
「大人になったらな。」
残りを飲み干し、わざとらしく目の前で缶を振ってやる。
すると赤い袖がするりと伸びてきて花島のシャツの襟元を掴んだ。間を置かず、唇が押し付けられる。
驚く花島を尻目に、すぐに唇を離したその子供は眉を顰め、舌を出した。
「苦い…」
呟く小さな悪魔を、花島は軽く小突く。
「だから大人になったらって言っただろ。」
そう言って花島が吐いた溜息に、もう一つ溜息が重なった。
「早く大人になりてえな…」
ぼそりと呟かれた声を聞きながら花島は、俺は子供になりてえよ、と心の内で呟いた。
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