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自重できなかった人の何かの捌け口
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虎花?











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「信用して、いいよな?」
突然、家に押し掛けてきた少年が言う。
「…何の話だ?」
新手の悪戯かと一瞬思った花島だが、向けられる真剣な眼差しにその考えを打ち消す。
少年は「竜持が、」と言ったところで口を噤んだ。弟の所為にしたくはなかったのだろう。「信用して、いいよな?」とまた同じ台詞を繰り返す。
花島は少年を見つめ、小さく息を吐いた。
「俺はお前たちより少し長くサッカーしてるだけだ。信用するかどうかはお前たちで判断しろ。」
いつものように声を掛けると、少年は混じり気のないまっすぐな目を花島に向けたまま口を開く。
「おれ、コーチのこと好きだから。」
ぼそりと呟いて、そのまま立ち去って行く。
徐々に小さくなっていく黄色い背中を、花島は自然と目で追っていた。
「流石はストライカーか…」
深い溜息と共に吐き出された言葉は、誰に届くことなく掻き消えた。
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